ジューゴは酒が弱い。本人も自覚しているのか普段は滅多に呑まないのだが、なんのチャレンジ精神なのか稀に呑みたがる。成人もしているし全く飲めないわけではない。今は家で、ジューゴが潰れても誰にも迷惑をかけない。

一人で呑むよりたまにはジューゴと二人で呑むのもいいかとウノはグラスをもう一つ出し、グラスの半分程までワインボトルを傾けソーダを注ぐ。シュワシュワとグラスの中で泡を弾けさせるカクテルをジューゴが口に含んだのが30分前。つまみが無くなったのでウノがキッチンに向かったのが20分前。思ったより飲みやすかったのかジューゴが一人でワインを注いだのが15分前。


「ん〜.......うのぉ….....」


 そして今、ウノは顔を真っ赤に染めたジューゴにソファで抱きつかれていた。折角取ってきたクリームチーズとクラッカーは机に放置されている。


「ジューゴー、オレまだ飲みたいんです

けどー?」

「うー...?」

「うー?じゃなくて、これじゃオレ飲みにくいからとりあえず降りろって一」

「やーらぁー」


 こいつ甘え上戸か......。ジューゴが初めて飲んだ時は酔う前に潰れた。それ以降はウノが飲ませなかった。初めて見るジューゴの酩酊した姿にどうするかを考えながら、ジューゴのグラスに残ったワインを呷る。うん、美味しい。ハニーが置いてったやつなだけある。


「あー、なんでオレのやつのむんらよ

お〜」

「お前それ以上呑めないだろ、ベッド連れてってやるから寝ろ」

「かってにきめつけんな!か一えーせぇ

ー」

「ちょっ、ンむ」


 ジューゴがウノのロに噛み付く。突然の事に閉じ切れなかった唇に、アルコールが回り熱くなったジューゴの舌が潜り込み口の中に拙く這わされる。珍しいジューゴの行動にウノは酔いが一気に回るのを感じた。押し退けようと肩に置いていた手をジューゴの後頭部に回し、黒髪に指を通す。口内の舌を吸い唾液が顎に伝い落ちる。息が苦しくなったジューゴが舌を引き抜き、唾液がぼたぼたと零れ落ちた。


「ふ、あ………あ、ちゅい………」

「酒、のんだからだろ...」

「ウノ、かおあかい……」

「よってるからな」


 酒にじゃないけど。

 首元に擦り寄ってくるジューゴをソファに押し倒し覆い被さると、腕を伸ばしたジューゴに抱き寄せられる。間近で見るジューゴの瞳が上気し潤んでいるのはアルコールのせいか。


「酒、きもちーけど...ちゅーするほうがき

もちいから、ちゅーしたい」

「ちゅーだけでいいの?」

「ん...、んー..........?」


 よくない。

 そう言ったジューゴのロがウノの首元に吸い付く。ウノは机の上をチラリと見、後でアレ冷蔵庫に入れなきゃなぁと思いながらジューゴの服に手を差し込んだ。